写真と本文は関係ありません。

 まもなく電車 到着します お下がりください・・・・

 あ、あぶない・・・・

その 到着する電車の先頭から見ると

もっとも黄色い線をはみ出している人影がある

それは 駅員だ

だが

運転士は

駅員が黄色い線からはみ出していても警笛を鳴らさない

駅員は乗客では ない 

から 

駅員の隣を歩いたときに

カラカラ

風車の音が かすかに 聞こえた

蝸牛の回転、カンカラリン・・・・

お下がりくださいよ・・・

それは駅員のわずかな声、いや、音だ・・・

お下がりくださいね・・・

・・・この駅で わたくしよりも はみ出す人が いては ならない・・・

カラカラカラカラ・・・

風が強くなるたびに

その声は弾くよう、強くなる・・・

お下がりください。

カラカラ

お下がりくださいよ!

お下がり、ください!!

・・・ラッシュの駅を 歩き回るたびに

駅員による強いバリアを思う

それは 暖かく守るとか 包み込むとか そういうものを超えて

巻き込まれたら息さえできない風の壁の空間

駅員の傍によると息苦しい

そう その場所は きっと

軽いものではないのです

 乗客は 絶対に 立っては いけない その場所に

風が去った

乗客の減ったホーム

風車は回転を緩め

駅員は ほんの一瞬

黙る

蝸牛の回転、一休み。

駅員の頬から顎へと伝う